貿易ニュース 9月2009年 

30/09/09 10年以内に電気自動車生産の世界的なリーダーに − 連邦政府
30/09/09 海外需要が高まりぺカンの生産拡大 − ニューサウスウェールズ州
30/09/09 中国とロバ肉の輸出契約を交わしたが、ロバがいない
30/09/09 今年の天然ミナミマグロは豊漁も、価格は下落−南オーストラリア州
30/09/09 安価な輸入中国産リンゴジュースにより地元生産者に打撃
30/09/09 ロブスターの漁獲枠が大幅に削減 − 西オーストラリア州
23/09/09 今年度の豪州の農産物輸出額は2.5%減と予想−豪農業資源経済局
23/09/09 大手乳業フォンテラ社が生乳の買い取り価格を引き上げ−ビクトリア州
23/09/09 検疫検査職員の時間外勤務の廃止で、輸出業者に多大な費用が発生
23/09/09 ライオン・ネーサン社の株主が正式にキリンの買収提案を承認
23/09/09 シンガポール企業が豪州最大のアーモンド生産者に
16/09/09 州政府がロブスター捕獲かごの手数料を値下げ−西オーストラリア州
16/09/09 輸出検疫検査料金の補助金撤廃に対し、別途調整金を支給−連邦政府
16/09/09 生体牛の輸出業者は豪ドルの為替レートを懸念 − 北部準州
16/09/09 8月の豪産ラムの日本向けは前年同月比で16%減少
16/09/09 大手農業事業エルダース社が倒産の危機
16/09/09 もうすぐオーストラリアが世界第2位の金の産出国に
09/09/09 北部ゾーンのロブスター漁獲割り当て枠が削減−南オーストラリア州
09/09/09 品種改良によってクルマエビの成長率を高める−クイーンズランド州
09/09/09 マカダミアナッツの収穫量が25%減少し、価格が高騰
09/09/09 アラブ首長国連邦が豪産乾牧草の新しい輸出マーケットに
09/09/09 8月のオーストラリアの新車自動車販売は個人消費者が戻る
02/09/09 ホールデンのアデレードでの電気自動車生産を期待−SA州首相
02/09/09 ヒラマサ養殖プロジェクトが失敗に終わる−西オーストラリア州
02/09/09 ファッション大手ヒューゴ・ボスが豪州のミュールジングに懸念
02/09/09 中国産輸入品による地元産業の崩壊と食品安全へのリスク
02/09/09 州南部の養殖場でアワビのウィルスが発生 − タスマニア州
02/09/09 悪天候の為にロブスター漁が不漁 − タスマニア州

                                                                 

09月30日2009年 10年以内に電気自動車生産の世界的なリーダーに − 連邦政府

  連邦政府の報告書では、今後10年以内にオーストラリアがゼロエミッションの電気自動車の設計・生産の世界のリーダーになるかもしれないとしている。 連邦政府は、ビクトリア州政府とともに、2020年までの地元自動車産業の傾向の予測に参加した。 
  月曜日に発表された報告書では、「2012年から電気自動車の普及が加速される。 海外への輸出の可能性をも含めた、先行する”グリーン・カー”のイニシアティブにより、オーストラリアは競争力のある大型でパワフルなゼロエミッション乗用車の設計・生産の世界的なリーダーとなることが出来る。 急進的な電気自動車への移行は、基本的な戦略やビジョンの変更の恩恵を受ける機会ではあるが、電気自動車が大きなマーケットになることで、世界の自動車産業への投資競争が激しくなってくる」としている。 
  連邦政府は、2008年11月にオーストラリアの自動車産業に対して、今後10年間の生産助成金として62億ドルを発表している。 その中には、自動車生産者が環境に優しい自動車の開発に支出した費用の3ドル当たり1ドル相当を補助する総額13億ドルの”グリーン・カー”基金も含まれている。 しかし、現在のところ、電気自動車の開発補助金を申請している企業はない。 
  トヨタは、助成金の3,500万ドルを使って2010年からオーストラリアでハイブリッドの”カムリ”の生産を始めるが、完全な電気自動車ではないため、ガソリンを使って二酸化炭素を排出することになる。 (Source: AAP, 29/09/09 "Electric cars 'will be made locally'")

09月30日2009年 海外需要が高まりぺカンの生産拡大 − ニューサウスウェールズ州

  オーストラリアのぺカン(ピカン、ピーカン、Pecan)生産者は、海外からの需要に応えるために生産を増やしている。 
  ニューサウスウェールズ州コッフスハーバー近くのNana Glenに住むロザリー・ナウランド氏は、すでにぺカンが媚薬と信じている消費者がいる中国に輸出しており、ベトナムやシンガポールからの問い合わせがあるとしている。 しかし、今年は川が氾濫して洪水となり4トン分のぺカンが流され、供給量が減っている。 
  ナウランド氏は、「4人の卸業者からぺカンの実を買い付けたいとの要望があったが、対応できなかった。 今後新しい機械を購入して畑を修復し、生産を拡大していく」と話した。 (Source: ABC, 28/09/09 "Chinese lovers boost demand for Aussie pecans")

09月30日2009年 中国とロバ肉の輸出契約を交わしたが、ロバがいない

  今年の初め、クイーンズランド州の食肉処理場が野生のロバの輸出契約を中国と結んだ際、大きな問題は終わったと思っていた。 しかし、食肉処理場のUnited Game Processing社は、オーダーに対応するための野生のロバを見つけるのに苦慮している。 
  北部準州には多数のロバがいるかもしれないが、同社のジョン・ブーリー社長は、「多くの人が私のことを口だけと思っているが、過去において多くの人々が馬、バッファロー、ロバについての事業を提案してきたが、ひとつも実現していない。 今回の中国との輸出契約では、年間約10万頭のロバを加工処理することになる。 来年この事業計画が始まると、多くの人たちが参加すると思う。 何かを始める時の初期段階はいつも、多くの質問が出たり、一部だけを試みたりするなど困難は付き物である。 しかし、一旦事業が始まると、ひとびとは私のアイデアに注意したり、ロバを見つける方法を教えてくれるだろう」と話した。 
  中国の輸入業者は、近々にUnited Game Processing社の加工場を検査して、今回の輸出プロジェクトに最終的な許可を出すことになっている。 (Source: ABC, 24/09/09 "China export deal no donkey")

09月30日2009年 今年の天然ミナミマグロは豊漁も、価格は下落−南オーストラリア州
  今年の天然マグロ漁は事実上終わり、マグロの品質は良かったが、価格がかなり落ちた。 
  オーストラリア・ミナミマグロ協会のブライアン・ジェフリーズ会長は、「マグロの価格は昨年と比べると大幅に下がったが、今シーズンは漁獲量が増えて、来年への良い前兆となる。 価格の下落は、日本での景気後退と、日本円に対して豪ドルが高くなったことが原因である。 価格が不安定なのは第一次産業商品の宿命である。 最後のマグロ漁は今年の終わり頃で、市場で価格が高値になる時期である。 今年のマグロ漁は豊漁で、昨年の12月から今年の3月に掛けて、Great Australian Bight(入り江)からポートリンカンにマグロが大量に回遊してきた。 なぜ今年のマグロの品質が良かったのかはよく分からないが、風により海水が上昇し、脂肪分が多いイワシが入り江に入り込み、それがいっそうマグロのエサになったのではと考えられる。 今シーズンは、日本のマグロ冷凍船がポートリンカンに寄港する回数が、いつもより少なかった。 これは冷凍船が大型化したのと、今年のマグロ業界は冷凍よりも、冷蔵のマグロを狙っているためである。 冷凍船はオーストラリアの業者が蓄養し、内臓を取ったマグロを集めている」と話した。 
  今年のミナミマグロの漁獲量は約3,000トンになる見込みで、昨年は1,050トンであった。 この過去数年間の漁獲量は、年間1,000トンから1,300トンの間であった。
 (Source: Port Lincoln Times, 23/09/09 "Tuna harvest good but price not")
09月30日2009年 安価な輸入中国産リンゴジュースにより地元生産者に打撃

  オーストラリアに輸入される中国産濃縮リンゴジュースに対する政府への要望が再び出てきた。 ニューサウスウェールズ州中西部の果実生産者は、商売にならないとして60トンのリンゴの廃棄を余儀なくされた。 
  生産者のピーター・ダーリー氏は、「連邦政府が安い輸入品に対する態度を明確にする時期が来ている。 オーストラリアの果実生産者の生活を守るために、中国産の商品に関税を課すべきである。 オーストラリアへ大量の濃縮ジュースが輸入されており、地元のジュース市場は非常に落ち込んでいる。 また、20%も電気代が上がったことで、冷蔵室がいつも使えなくなり、果実が劣化し始めている。 我々は劣化した果実を牛のえさにしている」と話した。 (Source: ABC, 24/09/09 "Chinese imports force dumping of apple juice")

09月30日2009年 ロブスターの漁獲枠が大幅に削減 − 西オーストラリア州

  西オーストラリア州政府のノーマン・ムーア漁業相は、ロブスター業界に厳しい規制を課した。 今シーズンのロブスター漁獲枠を、昨シーズンの7,000トンから5,500トンに削減した。 ロブスター漁師は、捕獲かご数の削減、ロブスターの漁獲可能ミニマム・サイズの引き上げ、小さなロブスターが逃げれるように捕獲かごの網目の拡大などの規制を受けることになる。 
  業界団体United Mid West Fishers Association は今回の新しい規制は厳しすぎるとし、ピーター・バートン会長は、「小規模のロブスター漁師たちは、廃業に追い込まれるだろう。 多くの漁船がロブスター業界から消えていくことになる。 特に漁師の家に生まれた若い後継者たちは、自分たちの将来を考え直すことになる。 ロブスター漁の漁船はおよそ250隻くらいに減るのではないか」と話した。 (Source: ABC, 24/09/09 "New limits imposed on rock lobster industry")

09月23日2009年 今年度の豪州の農産物輸出額は2.5%減と予想−豪農業資源経済局
  オーストラリア農業資源経済局(ABARE)の最近の予想では、2009-10年度の農業輸出額は、オーストラリア・ドル高により、大きく増加した2008-09年度より若干減るとしている。 ABAREは、2009-10年度の農業輸出額は、前年度から16%増えて319億ドルとなった2008-09年度より2.5%減少て311億ドルとなると予想している。 
  ABAREによる”Australian commodities ”の9月号が今日発行され、その中でテリー・シールズ局長代理は、「2009-10年度には冬作物の生産量が増える予想となっているが、オーストラリア・ドルの為替レートが高値で推移して、短期的には農業輸出額が減少することになる」と話した。 今回の2009-10年度の農業輸出収入予想は、”Australian commodities ”の6月号の予想の325億ドルから下方修正された。 しかし、今年度の311億ドルの農業輸出額の予想は、依然2007-08年度の275億ドルより13%増加している。 
  2009-10年度に農業輸出額が増加する品目は、大麦、ヒヨコマメ、ルピナス(ハウチワマメ)、オートムギ、エンドウマメ、米、モロコシ、砂糖、原綿などである。 しかし、小麦、カノーラ、ワイン、家畜などは輸出額が減少すると予想されている。 
  2009-10年度の農産物を含めたすべてのオーストラリアの商品輸出額は、2008-09年度より20%減って1,580億ドルと予想され、2008-09年度は前年度より32%増えて1,970億ドルとなっていた。 (Source: Stock & Land, 22/09/09 "Higher $A to hit farm export earnings")
09月23日2009年 大手乳業フォンテラ社が生乳の買い取り価格を引き上げ−ビクトリア州
09月23日2009年 検疫検査職員の時間外勤務の廃止で、輸出業者に多大な費用が発生
  経済紙のオーストラリア・ファイナンス・リビュー紙は、上院議会がオーストラリアの検疫検査料の値上げに反対することを決めたことにより、検疫検査局が人員を削減し、輸出貨物を搭載し終えた船が検疫検査職員の勤務時間を待つことになり、輸出業者が多大な滞船料を支払わなければならないことになると警告している。
   連邦政府は昨日、輸出業者グループに対して、「経費削減により、オーストラリア検疫検査局(AQIS)は、輸出貨物に署名する検疫検査職員の時間外勤務を廃止する」と伝えた。 これは、通常の営業時間に貨物が船に搭載された後、翌日に検疫検査職員の許可を受けることになり、船をドックで一晩留め置かなければならず、シッピング・スケジュールの遅れと滞船料が発生する。 
  オーストラリア家畜輸出業者カウンシルのマッキンノンCEOは、「スケジュール遅れは、我々のメンバーに多大な経費増加と不便を強いるものである」と話した。 (Source: The Land, 18/09/09 "Quarantine delays may hit exporters")
09月23日2009年 ライオン・ネーサン社の株主が正式にキリンの買収提案を承認
  Lion Nathan社の株主が、日本のキリン・ホールディングスによる34億ドルの買収提案を正式に承認したことにより、オーストラリアで最大の食品・飲料グループが誕生した。 
  買収を承認する多くの委任状はすでに集まっているが、今回Lion Nathan社の約60の株主がシドニーに集まり買収提案について投票を行なった。 同社の全株主(4,696の企業や個人)のうち98.75%が投票に参加した結果、91.9%の株主が同社の53.87%の株式を、一株当たり12豪ドルで売却することを圧倒的に賛成した。 同社の53.87%以外の残りの株式は、すでにキリンが保有しており、今回は投票しなかった。 
  この買収の承認により、オーストラリアではキリンの子会社のNational Foods社とLion Nathan社が統合され、従業員1万人を抱えるLion Nathan National Foods社となる。 (Source: SMH/AGE, 18/09/09 "Kirin takes control")
09月23日2009年 シンガポール企業が豪州最大のアーモンド生産者に

  シンガポールの上場企業が、経営破綻したティンバーコープ・グループのいくつかのアーモンド事業を1億2,800万ドルで買い取り、オーストラリアで最大のアーモンド生産者となった。 
  ティンバーコープの管財人であるKordaMentha社のマーク・コーダ氏は、ティンバーコープの8,000ヘクタール以上のアーモンド畑を、世界的な農産品や食材の供給業者であるOlam International社に売却することに合意した。 ティンバーコープは1万1,000ヘクタールのアーモンド畑を所有している。 Olam International社は、2007年7月にはQueensland Cotton Holdings社を買収しており、世界60ヶ国に事業を展開しており、綿花、酪農品、ココア、コーヒー、カシュウナッツ、ゴマ、米、チークなどを扱っている。 
  コーダ氏は、「今回売却に合意したアーモンド畑は、ビクトリア州北部のマリー川近くのRobinvale付近の 8,096ヘクタールの畑で、オーストラリアの全アーモンド生産量の30%を占め、世界の生産量の1%となる」と声明で発表した。 (Source: The Australian/AAP, 19/09/09 "Singapore firm grabs almonds market")

09月16日2009年 州政府がロブスター捕獲かごの手数料を値下げ−西オーストラリア州

  西オーストラリア州のロブスター漁師たちは、州政府によるエビかごの管理手数料の値下げに対して慎重に歓迎している。 
  西オーストラリア州政府のノーマン・ムーア漁業相は、今年行なわれる予定のロブスター漁師に割り当てられているエビかごの削減を前に、エビかごの管理手数料を1個当たり147ドルから112ドルにすると発表した。 西オーストラリア州沿岸のロブスターの幼生の数が激減しており、今年11月から始まるロブスター・シーズンの漁獲割り当て量が約2,000トンに削減された。 またシーズンを前にして、漁業日も制限されることになる。 
  業界団体のGeraldton Professional Fisherman's Associationのアンソニー・ピロッティナ会長は、「漁獲量の削減により、州政府は漁師に対して値下げをしなければならなかった。 我々の業界では、保有するエビかごを100%使用することが出来ず、稼働率は42%にまで落ち込んでいる。 漁師たちは経費の節約に追われているが、今回の値下げはまだ十分ではない」と話した。 (Source: ABC, 15/09/09 "WA lobster fishermen cautiously welcome pot fee cuts")

09月16日2009年 輸出検疫検査料金の補助金撤廃に対し、別途調整金を支給−連邦政府

  連邦政府は、輸出検疫検査料金の40%の補助を取り消すことに対して、輸出業者に総額2,000万ドルの調整金を支出することに合意した。 
  これはグリーン党との協議で決まり、検疫や輸出サービスの向上を目的とした豪額4,000万ドルの改善計画に追加される。 しかし、野党連合議員や無所属の議員たちは、この調整金を含んだ新しい輸出検疫料金に同意するかどうかを現在検討している。 野党連合議員たちは、この新しい輸出検疫検査料金が小規模の輸出業者にどのように影響するのかを懸念している。 
  グリーン党のクリスティーン・ミルン上院議員は、議員たちにこの調整金に合意し、検疫検査局の改善計画の法案を通過させることを求めている。 (Source: ABC, 15/09/09 "Federal Government makes concessions on quarantine fees")

09月16日2009年 生体牛の輸出業者は豪ドルの為替レートを懸念 − 北部準州

  一部のエコノミストたちは、オーストラリア・ドルが引き続き値上がりし、1豪ドルが90USセント以上にになるかもしれないと予測している。 これは販売先を海外に頼っている北部準州の牛生産者には悪いニュースとなっている。 北部準州の牛の90%はインドネシアに輸出され、生産者たちは利益を上げるために、安いオーストラリア・ドル、高いインドネシア・ルピアを期待している。 
  ウェストパック銀行国際エコノミストのヒュウ・マッカイ氏は、「インドネシアは世界的な金融危機の嵐から、ほかの国より早く立ち直った。 これは牛の輸出業者にとって悪いニュースではない。 インドネシア経済は収縮しておらず、いまだ約4%の成長をしている。 日本、アメリカ、ドイツなどの世界の大きなマーケットは、まだ落ち込んでいる」と話した。 (Source: ABC, 15/09/09 "Live cattle exporters worried about the dollar")

09月16日2009年 8月の豪産ラムの日本向けは前年同月比で16%減少
  オーストラリア産ラムの8月の日本向けは、前年同月比で16%減少して468トンとなった。 この落ち込みはおもに日本市場の需要が低迷したことによるもので、在庫(特に冷凍ラム)が大量にあり、ジンギスカン鍋のシーズンも終わったことが原因である。 
  オーストラリアでのラムの供給が不足したことも輸出量減少の原因のひとつで、8月の冷凍ラムの日本への輸出量は前年同月比74%減の37トン、冷蔵ラムは同5%減の431トンであった。 今年に入って1月から8月までの日本向け輸出量の累計は6,529トンとなり、前年同期より3増加している。 (Source; MLA, 09/09/09 "Lamb exports to Japan fall in August")
09月16日2009年 大手農業事業エルダース社が倒産の危機

  大手農業ビジネスのエルダース社は、同社のリストラの費用と負債の支払いに充てるために、新規株式を発行して5億ドル以上の資金を調達すると発表した。 
  先週同社は、昨年度の決算が4億1,500万ドルの赤字となったことを発表し、倒産に近い状態となった。 しかし、エルダース社はオーストラリア市場には競争しあう有力企業2社が必要として、競争相手のランドマーク社との統合は否定している。 
  同社のマルコム・ジャックマンCEOは、「経済が好転したら自動車部門は売却する。 先週、資本再構成やリファイナンスの最終交渉を行う際でも、非常に厳しい状態であった。 銀行がエルダース社の担保資産を差し押さえ、エルダース社が管財人の管理下に入るとの噂があった。 いろいろな噂があり、この噂も仮定上のものである。 確かに銀行が資産を差し押さえれば、状況はより困難になるが、再度、これはあくまでも仮定的なものである」と話した。 (Source: ABC, 07/09/09 "Elders admits it came close to collapse")

09月16日2009年 もうすぐオーストラリアが世界第2位の金の産出国に

  過去10年間、オーストラリアの金の産出量が減っていたが、やっと前四半期に4%増加した。 6月から9月までにオーストラリアは180万オンスの金を産出しており、鉱山コンサルタントは、今オーストラリアは金のブームであると指摘している。 
  Surbiton社の鉱山コンサルタントのサンドラ・クローズ氏は、「今オーストラリアは金ブームで、世界の産出量のランキングでも、中国に次いで2位になる可能性が高くなっている。 今後6-9ヶ月の間に、いくつかの金の採掘企業が参入する予定で、それらの企業がオーストラリアの金の産出量の増加を助けることになる」と話した。 現在、世界で第2位の金の産出国はアメリカで、オーストラリアと南アフリカが同率の3位となっている。 (Source: ABC, 07/09/09 "Australia poised to become second biggest gold producer")

09月09日2009年 北部ゾーンのロブスター漁獲割り当て枠が削減−南オーストラリア州
  南オーストラリア州政府は、ロブスターの個体数が少なくなったとして、北部ゾーンのロブスターの漁獲割り当て枠を大幅に削減する。 漁獲割り当て枠はマレー川河口の北部西ゾーンにおいて、去年の470トンから310トンに削減される。 
  同州政府のポール・カイカ食品・漁業相は、「現在の漁獲状況を改善するには、今後さらなる削減が必要となる。 今のロブスター漁は明らかに獲り過ぎで、今までの最悪の状況となっている。 状況は非常に深刻で、本気で改善策をとる必要がある」と語った。 (Source: ABC, 08/09/09 "Northern zone lobster quotas to be slashed")
09月09日2009年 品種改良によってクルマエビの成長率を高める−クイーンズランド州

  クイーンズランド州最北部(Far North Queensland)のCardwellにあるオーストラリアで最大のクルマエビの養殖場は、品種改良によってクルマエビの成長率を30%高めようとしている。    
  Seafarm社のゼネラル・マネージャーのトレバー・アンダーソン氏は、「今いるクルマエビの中から、良質のクルマエビ10%を選び、繁殖用として使う。 それによって市場に出すまでの養殖期間を20週間に短縮する。 遺伝学者が遺伝子の特性は一世代で5%増すとしていることから、5世代後には40%成長率が高くなる」と話した。 (Source: ABC, 08/09/09 "Bigger prawns from selective breeding")

09月09日2009年 マカダミアナッツの収穫量が25%減少し、価格が高騰

  マカダミアナッツの生産者は、今年の収穫量が25%減少したが、価格が大幅に上がったことを喜んでいる。 収穫量は今年3月に予想したより1万1,000トン少なくなった。 一方、販売業者は顧客と契約した販売量を確保できないとして、生産者に対しより正確な収穫量の予想を要求している。 
  マカダミアナッツ加工会社のラリー・マッキュー氏は、「収穫量の不足は長期的に見て、マカダミアナッツ産業に影響する。 価格が上がったのは良いニュースであるが、長期的に我々が維持できる価格ではない。 我々の提供する量が需要より大幅に下回れば、消費者はマカダミアナッツの購入を避けるようになる。 そうなればマカデミアナッツの需要が落ち込んでくる」と話した。 (Source: ABC, 02/09/09 "Macadamia harvest down but prices up")

09月09日2009年 アラブ首長国連邦が豪産乾牧草の新しい輸出マーケットに

  オーストラリア飼料産業協会(Australian Fodder Industry Association)は、アラブ首長国連邦(UAE)がオーストラリア産乾牧草の新しい輸出マーケットになるとしている。 
  同協会の幹部のコリン・ピース氏は、「現在、UAEは乾牧草をアメリカから輸入している。 しかし、中東で農業の灌漑用の水が不足していることで、UAEは輸入量を増やすために、オーストラリアなどの国々などからの輸入を拡大する必要がある。 これは世界的な金融危機により、国内や海外輸出マーケットを失ったオーストラリアの乾牧草の生産者にとって大儲けは期待できないが、短期的か中期的な問題解決となる。 価格はオーストラリアの乾牧草生産者が昨年の今頃販売していたものより下回ることになる。 今後のオーストラリア・ドルの為替レートが重要になってくるが、1豪ドルが80USセント以上になれば、我々の主要な競争相手のアメリカ産やカナダ産に対して、競争力が出なくなる」と話した。 (Source: ABC, 25/08/09 "Emirates present a new fodder market")

09月09日2009年 8月のオーストラリアの新車自動車販売は個人消費者が戻る

  最新の新車自動車販売統計で、政府の景気刺激策で恩恵を受けている法人需要に加えて、個人消費者が戻りつつある。 
  連邦自動車産業会議所(FCAI)が発表した統計によると、8月の乗用車、 SUV、商用車を含めた新車自動車販売台数が7万3,287台となった。 FCAIのアンドリュウ・マッケラー会長は、「今回の統計では、個人消費者が自信を取り戻し、購入をし始めている。 個人消費者とレンター会社の販売が予想より良く、春に向けてマーケットが上がってきている。 また、政府の景気刺激策の税金控除拡大により、法人需要が引き続き高い」と話した。 
  今年に入ってからの新車自動車の販売累計は60万3,843台で、前年同期と比べると14.2% (10万0,151台) 下回っている。 8月の新車自動車の販売台数は、前年同月比で5.2%(4,036台)減少したが、いくつかの車種では増えている。 高級SUVは19.2%、商用バンは8.2%、小型車は7.2%、中型SUVは1.6%、スポーツ車は1.4%、軽自動車は0.3%とそれぞれ増加している。 (Source: FCAI, 03/09/09 "Private buyers returning to car showroom')

09月02日2009年 ホールデンのアデレードでの電気自動車生産を期待−SA州首相

  南オーストラリア州政府のマイク・ラン首相は、「ゼネラル・モーターズ(GM)が、ゆくゆくはホールデン社のアデレードのエリザベス工場で電気自動車を製造することに同意することに自信を持っている」と話した。 同首相は、この可能性についてアメリカのデトロイトでGMのフリッツ・ヘンダーソンCEOと協議している。 
  同首相は、「ゼネラル・モーターズの電気自動車の市販モデルである『ボルト』が、エリザベス工場の4気筒モデルの生産ラインで製造されるかもしれない。 『ボルト』は現在試作段階であるが、我々はホールデン社の将来に大きく支援することで、エリザベス工場での電気自動車の生産を希望するメッセージを送った。 自動車メーカーは消費者の要求に応える必要があり、それによってマーケットが作られる。 アデレードへの電気自動車生産誘致に大きな自信を持っている。 ゼネラル・モーターズは、消費者がより燃料効率が良く、二酸化炭素の排出量が少ない自動車を望む要望が高まっているのをよく理解している」と語った。 (Source: ABC, "Rann hopes for Holden electric car")

09月02日2009年 ヒラマサ養殖プロジェクトが失敗に終わる−西オーストラリア州

  西オーストラリア州沖の海洋養殖プロジェクトが失敗に終わり、また金融危機による犠牲となった。 このプロジェクトは、パース北部Two Rocks近くの沖合い10キロのところで生簀を使ってヒラマサを養殖するもので、この養殖方法ではオーストラリアで初めての試験養殖となるものであった。 
  しかし、国内や海外の投資家の当初の関心がなくなり、このプロジェクトを継続するために必要である300-400万ドルの資金が調達できなくなった。 すでに数十万ドルの資金がこのプロジェクトに投入されているが、研究者たちはこの資金は無駄にならないとし、「深海での養殖プロジェクトの適切な場所を選ぶことについて多くのことを学んだ。 今後の海洋養殖のために重要なガイドラインを確立できた」としている。 (Source: ABC, 20/08/09 "WA aquaculture plan fizzles, but funding 'not wasted'")

09月02日2009年 ファッション大手ヒューゴ・ボスが豪州のミュールジングに懸念

  ファッションブランドのヒューゴ・ボス社は、オーストラリアの羊毛団体Australian Wool Innovation(AWI )が2010年までにミュールジングを廃止する約束の履行に消極的なことに懸念を示している。 
  同社は、廃止の変更は認められないとして、この数ヶ月AWI と連絡をとっており、次の協議を近日中に開催するとしている。 ヒューゴ・ボス社は引き続き、ミュールジング処理をしていない羊からのウールを求めており、ミュールジング処理をしていない羊のウールを2009年秋冬コレクションに使いたいとしている。 同社は、ミュールジングの代わりに鎮静剤を使用するなど、もっと動物に優しい方法を採用するように求めている。 
  *ミュールシングというのは、羊の皮膚のしわが尿や水分を吸い、ハエが卵を産みつけたり、孵化したうじ虫が生きた羊に害を与えることを予防するために、尻尾と肛門のまわりの皮膚を鎮痛剤などは使わずに削ぎ切る作業で、動物保護団体から残虐であると指摘されている。
(Source: ABC, 19/08/09 "Hugo Boss not happy with mulesing backdown")

09月02日2009年 中国産輸入品による地元産業の崩壊と食品安全へのリスク

  中国からオーストラリアの消費者への食品の提供が増えるなか、食品の安全性や低価格の輸入品と競争する地元農家に対する懸念が増している。 オーストラリア検疫検査局によると、昨年1月から今年3月の間に、中国から4,200トンのクルマエビ、153トンの冷凍ブロッコリー/カリフラワー、65トンのリンゴ(生)、95トンの西洋梨、325トンのニンニク、72トンのエンドウマメ、4,292トンのピーナッツ/ビーナッツバターが輸入されている。 昨年の中国産野菜の輸入量は前年より35%増加しており、世界でニュージーランドに次ぐ輸入国となっている。 これにより、オーストラリアでの野菜生産が落ち込んでいる。 
  タスマニア州の野菜生産者で、業界団体”Ausveg”の元会長であったマイク・バッドコック氏は、「中国産の輸入品は、オーストラリア産業の財政基盤を脅かしており、消費者は食品の安全性にも懸念すべきである。 オーストラリアの生産者は国内の厳しい基準により、多大な経費の出費を強いられている。 最も大きな問題は、オーストラリアの生産者は市場の要求に応えなければならないとする政府の姿勢である。 しかし、市場は不公平である。 政府は非常に危険なゲームを行なっている。 短期的に低価格の輸入品がオーストラリアの業界を壊滅させたあと、値段を上げてくる。 例えば中国産ニンニクがそうである。 中国産ニンニクの価格はオーストラリア産の4分の1にすぎない。 市場に中国産ニンニクが大量に出回り、地元の生産者が潰れた後、価格を上げてきた。 現在オーストラリアで販売されているニンニクの90%は中国産である」と話した。 今後オーストラリアで二酸化炭素排出削減計画が実施されると、オーストラリア産の商品価格はいっそう上がるかもしれない。 
  またオーストラリアは中国の食品安全性にも気をつけなければならない。 昨年中国産粉ミルクにメラミンの混入が発覚し、幼児6人が死亡、30万人が入院した。 アメリカではメラミンが混入したエサを食べ、ネコ1,950匹と犬2,200匹が死んだ。 養殖クルマエビの業界団体Australian Prawn Farmers Associationのトレーバー・アンダーソン氏は、中国に存在し、オーストラリアにはないエビホワイトスポット病ウイルス(WSSV:white spot syndrome virus)やイエローヘッド・ウィルス(YHV:Yellowhead Virus )などの病気のリスクを心配している。 同氏は、「中国産のクルマエビの中に多量の抗生物質が発見され、アメリカでは輸入禁止や制限が行なわれている。 オーストラリアは厳しい環境基準に則り養殖を行なっており、安全で清潔なイメージを守る必要がある」と話した。 (Source: The Australian, 31/08/09 "Fears as Chinese food pours in, farmers claim lost markets and biosecurity risk")

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